2005年11月25日
【写真】インド・シムラ・第6話「満腹!」
かくして吾輩は満腹のプクちゃんになりました。電気ストーブは足元で煌々と「燃え」ていて、胃も膨らみなんだかトロンと気持ちよくなって、まぶたが自動的に垂れ下がってくるのでした。暗い中で透明人間のように突っ立っていた保護色インドカレー人に会計を頼むと、例によって伝票と共に「クミンシード」が運ばれて来ました(写真上)。バングラデシュでも経験しましたが、インド文化圏の良き習慣は食後にこうしてクミンシードをつまむことです。香ばしくて旨いだけではなくて、消化促進や胃もたれ防止などの薬効もあるらしいです。いつしか食後にこれがないと口寂しくなるようになりました。特にカレーのような香辛料系の食べ物を食べた後には無性にこれが欲しくなるのです。しかし、駅や列車の売り子からカレーを買って食べてもクミンシードは出てこない。一応、これが出てくるということは中級以上の食堂ということになっているらしいです。
吾輩、そのクミンシードをつまみながら、ここを動きたくない気分でいっぱいでした。どうせ宿は今頃は何もかもが凍てついているだろう。それに引き替えここは足元が暖められて天国なのでした。
そもそもクミンシードを腹が膨れるまで食べる人はおらず、他の場所で見たインドカレー人は会計時に運ばれてきたクミンシードを2~3回つまんで口の中に放り込んで、すぐに立ち上がって去って行きました。その仕草はまるで「お焼香」のようだなあと思ってました。インドカレー人の食事は案外せっかちで、わりと短時間に終わるようでした。吾輩が見た限り、食後にお茶を飲みながらぺちゃくちゃ喋り続けるなどということはないようでした。しかるに今吾輩は、ぺちゃくちゃ喋ってはいなかったですが、クミンシードをひたすらぽりぽり食べつつ、焦点の定まらない目でぼんやりと座り続けていたのでした。なあに、ちょっとでもこの温みを宿へ持って帰ろうという魂胆なのでした・・・。
しかし時は待ってくれません。この電気ストーブの前に寝るという訳にもいかないので、吾輩はついにレストランを出ました。
外は、自分の影ができるほど明るい月夜でした(写真中)。その月光がさらに寒さを増幅しているかのようにも思えました。
この頃のザ・モールはもう人通りも絶え、吾輩は1kmほどひたすら西へ歩いて、宿に戻ってきました。部屋に入ってから電気温水器のスイッチを入れ忘れていたことに気づいて発狂しそうになりました。インドの電気温水器は瞬間湯沸かし器などではなく、タンクがついていて、スイッチを入れるとタンクの中の水が沸騰寸前まで暖められます。その容量が決まっているので、水と温度調整をしながら大切にタンクのお湯を使って、ようやくひとり分のシャワーが可能となるのです。スイッチを入れ忘れていたということはタンクの中の水は0℃に近いはずで、それをお湯にするには気が遠くなるほどの時間がかかるということです。帰った直後のどさくさでお湯を浴びてすこしでも体を温めてからエイヤっと布団に潜り込んで寝てやろうという魂胆がなし崩されました・・・。
・・・吾輩は見たくもないバッグスバニーやパワーパフガールズの再放送に目をやりつつ1時間後、タンクの中から「シュワ~」という沸騰しかけの音を聞きました。ここぞと思い、冷え切った大理石のシャワー室(写真下)へ飛び込み、お湯の蛇口をひねりました。・・・しかし、熱い湯はバケツ一杯分も出なかった・・・ともかく吾輩はこれをかぶりました。一瞬温まった気分になったのですが、そもそも床も壁も天井も凍えているものだから、シャワー室はあたかも牛乳の中に飛び込んだかのようで自分の手のひらも見えないほど湯気で真っ白になり、体から湯気があがるとその分気化熱で「シュワ~」とますます寒くなるのでした・・・その後体の震えが止まらなかったのです・・・。



★★★
ご当地レトルトカレーベスト10<日本経済新聞NIKKEIプラスワン11/5号>
1.松阪牛ビーフカレー
2.たらばかにカレー
3.米沢牛ビーフカレー
4.べこ政宗の牛たんカレー
5.小岩井農場チーズカレー
6.前沢牛ビーフカレー
7.田子産にんにくカレー
8.吉田ハム飛騨牛ビーフカレー
9.函館五島軒ビーフカレー
10.京野菜カレー
番外.ご存じ!インドカレー
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EXCERPT:
Posted by Rich at 08:35│Comments(0)
│インド
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